大宮盆栽デイズ - Omiya Bonsai Days -

パイロットになれなかった人の「それから」。

書籍「剪定」から学ぶ盆栽の徒長枝発生メカニズム

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「剪定(「コツ」の科学)」(上条祐一郎、講談社)を読むことができました。剪定について詳しい解説があり、のめり込むように読みました。徒長枝が発生する仕組みについてわかりやすく書かれており、とても勉強になりました。

先端の芽が強いのには理由があった

特に良かったのが、徒長枝が発生する仕組みについて解説している部分でした。この本によると、木には「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質があるとのこと。この性質によって上方かつ先端の芽ほど強く伸びてゆき、反対に下方の芽の伸長が抑えられる、とのことです。

植物ホルモンが側芽を抑制している

この頂芽優勢は、植物ホルモンである「オーキシン」の働きによるものであると考えられているようです。頂芽でオーキシンが作られて、重力の方向(下)に流れていくそうです。それなので、頂芽が強く伸びていって、頂芽よりも下にある芽(=側芽<そくが>)は、弱々しかったり、存在しなかったりすることになります。
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水平にした枝を通るホルモンの濃度

盆栽の場合、針金かけによって、枝を動かし固定します。水平にした枝から、立ち上がるように生える徒長枝も、オーキシンが関係していると考えられます。
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頂芽で作られたオーキシンは重力によって、枝の下あたり(赤色)を通ってくようです。そのため、枝の上部(青色)においては、オーキシンの濃度が低い状態になります。
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オーキシンの濃度が薄いゾーンでは、側芽は抑制されません。そのため、側芽が強く伸びる芽となり、結果的に徒長枝になってしまいます。
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剪定によって徒長枝が発生する理由

剪定によって、極端に細い枝へ切り替えることによっても徒長枝が発生するとも書かれていました。その理由として、細い枝の頂芽で作られるオーキシンの濃度が高くないことが挙げれています。それにより、太い枝に十分なオーキシンが流れず、ここでも側芽が発芽して、徒長枝になってしまいます。
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科学的な理由を知ると理解しやすい

これらのように、きちんとした科学的な理由を知ることは、とても楽しいです。そして、不要な枝や芽を取り除くポイントもわかるようになります。本当に素晴らしい本、ぜひ Kindle 版の発売を!(※このブログ記事のイラストは、本に掲載された図を参考に情報を書き加えたものです。)